西三数学サークル通信136号
暗号・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・竹中
@ シーザー暗号
平文(暗号化されていないデータのことを平(ひら)文(ぶん)といます。)の各文字を辞書順に3文字だけシフトして暗号文をつくる暗号です。
このシフト数は,3に限る必要はなく数を3以外にした方式も可能です。これをシフト暗号と呼びます(これも広義のシーザー暗号と呼ぶことも
あります)。古代ローマの将軍ガイウス・ユリウス・カエサル(英語読みでジュリアス・シーザーB.C.102-B.C.44)が初めて使ったことから、この
名称がつきました。
例 平文:BAG→暗号文:EDG(3文字だけシフト)
平文:IBM→暗号文:HAL(-1文字だけシフト)
A トリテミウスの多表式暗号 ドイツの修道僧ヨハネス・トリテミウス(1462〜1516)は、晩年に暗号解読 の研究を行い、独自の多表式暗号を考案しました。この暗号では、1行目 はAからはじまるアルファベットを、2行目はBから、3行目はCからと1文字 ずつずらして記入した26行の表を作成します。もとのメッセージの1文字目 は1行目、2文字目は2行目という具合に、ひと文字毎に1行ずらした行を使 って暗号化していき、27文字目以降はまた1行目から使っていきます。 例 平文:BAG→暗号文:BBI(最初の文字「B」は1行目の表を使って「B」 に、2文字目の「A」は2行目を使い「B」に、3文字目の「G」は「I」に変換) |
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Bヴィジュネル暗号 フランスの外交官、ブレーズ・ド・ヴィジュネル(1523〜1596)は、トリテミ ウスの多表式暗号に"鍵"となる文字を使って変換する、強力な暗号を考 案しました。 この暗号は、鍵によって全く異なった暗号文ができあがるので、万が一 換字表が敵の手に渡ってしまっても、鍵が分からなければ解読は非常に 困難になります。 例 鍵:BBCとする。平文:BAG→暗号文:CBI(最初の文字は鍵のBと平 文のBからC,2番目の文字は鍵のBと平文のAからB, 3番目の文字は鍵 のCと平文のGからI) |
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@ 転置式暗号(回転グリル方式)
正方形の升目の板(グリル)の、一見でたらめな位置に孔(あな)を開け、そこから下の紙に文字を書き込んでいきます。
すべての孔に書き込んだら、グリルを90度回転して続きを書きます。これを4回行ってすべての升目の位置を文字で埋めま
す。この方式はオーストリアの陸軍大佐フリーシュナーが1881年に考案したものです。
例 右図の4×4のマスに16文字が入っています。この文字を並べ替えると、1つの言葉になります。
暗号を解くキーナンバーは1822です。
最短経路の確率の問題・・・・・・・・・・・・・・・鈴木
【解答】
算法少女
小説「算法少女」(遠藤寛子・ちくま学芸文庫】は、
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この問題の次のような一般化が例会で話題になりました。
【解1】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・伊藤
【解2】・・・・・・・・・・・・・・・・・山内